北海道電力ネットワーク管内。1マス=100MW(10万kW)。供給は設備容量、需要は年間ピーク時の最大需要電力。左右を同じ物差しで並べています。
再エネ(風力・太陽光)が設備容量では火力に迫る一方、安定供給の軸は依然として石炭・LNG火力と泊の再稼働待ち。苫小牧・石狩に学習DCが集まるのは「安い土地と再エネ」が理由だが、夜間・無風時の信頼電源は火力に戻る。Rapidus(千歳)が需要側の最大変数。
動かすのは打ち手の数です。MWは結果として出ます。基準線は2本——OCCTOの需要想定(このエリアの2034年度、蓋然性の高い案件だけを積んだ値)と、エネルギー基本計画の2040年目標(全国1.1〜1.2兆kWh)をこのエリアの電力量シェアで按分した値——で、どちらも所与として動かしません。
太陽光・風力のマスは「設備容量」なので、実際に出せる電気は時間帯と天候で大きく変わります(太陽光の年間平均は容量の15%前後)。同じマス数でも、火力・原子力・水力の1マスと再エネの1マスは「頼れる度合い」が違う、という前提で見てください。供給パネルの「ピーク時供給力」はその差を係数で反映したものです。
| 打ち手 | 中身 | 当方評価 |
|---|---|---|
| D型+柔軟負荷 | 出力制御時に安くなる料金で学習DCを誘致し、再エネ余剰を「売れる電気」に変える | ◎ 最も北海道らしい戦略。制度設計(時間帯別・制御連動料金)が鍵 |
| B型(BTM) | 苫東厚真・石狩湾新港の構内にDCを併設し、北本連系を使わず域内で需給を閉じる | ○ JERA千葉型の北海道版。石炭の退役計画との整合が要る |
| E型(枠の提供) | 泊再稼働で空く系統余力を、道と組んでDC・半導体の誘致枠として配る | ○ 再稼働が前提。時期の不確実性が大きい |
シミュレーションの前提:1件あたりのMWは公表案件(桑名350MW、JERA千葉400MW、川内350MW等)に合わせた丸め。負荷率はDC80%・半導体85%・工場AI70%・電化50%で年間電力量に換算。エネ基の按分は、全国目標をこのエリアの現在の電力量シェアで割ったもの(国は地域配分を示していない)。売上は販売単価15円/kWhの概算で、託送・燃料費を含む粗い目安。予備率は上の供給パネルの2036年シナリオ(原子力再稼働・洋上風力等の仮置き)に対する値。
データの確度:実績公表統計からの概数(数%単位の丸めあり) 想定OCCTO需要想定(2025年度版)のDC・半導体の個別計上を、地域シェアで按分した値 仮置き当方シナリオ(原子力の再稼働、洋上風力の稼働、石炭の退役などを仮定)。2016年と2026年の供給は概ね実績、需要のDC・半導体は想定、2036年はすべて仮置きです。
供給の前提:泊3号機(91.2万kW)は2027年の再稼働を目指す段階。2036年の洋上風力は促進区域(石狩湾・檜山等)の建設が進んだ場合の仮置き。 蓄電池(系統用)は2026年が各エリアの運転開始済み容量の概数、2036年は接続申込の多さを踏まえた仮置き。持続時間は2〜4時間を想定し、データセンター構内のUPS・自家用蓄電池は含めない。
需要の前提:一般需要はOCCTO需要想定の最大需要電力(省エネと人口減で横ばい〜微減)。DC・半導体は同想定の全国個別計上(2034年度:DC616万kW・半導体99万kW)を、DC需要の地域シェア(東京62%・関西12%・中部9%、他は当方按分)で配分し、2036年まで延長。「発表ベースのパイプライン」は本サイトの地図に載せた計画の受電容量の合計で、OCCTO想定とは別物(すべて実現するとは限らない)。
出所:電力広域的運営推進機関「全国及び供給区域ごとの需要想定(2025年度)」、資源エネルギー庁 電力調査統計・エネルギー白書、各社供給計画・プレスリリース、本サイト地図の案件データ。数値は議論の叩き台であり、投資判断には一次資料で再確認してください。